手鞠と鼓が満開の花々に囲まれる様子は、女の子の誕生を喜んでいるかのよう。

和服ならではのダイナミックさと優しい雰囲気を持ち合わせたこちらの産着は、おめでたい意味を持つ文様で埋め尽くされています。
中心的な存在は「鼓」と「手鞠」です。古くから雅楽などで使われている「鼓」は、その美しい胴の曲線や両端の華やかな模様が品格を感じさせています。
音が良く鳴るという言葉にかけて、物事が良く成ると言われており、幸せな人生への願いが表現されています。
またおもちゃとして昔から女の子のそばにあった「手鞠」は、女の子の幸せへの願いが込められた文様です。
その丸い形から、何事も丸く収まり上手くいくという意味があり、結婚の嫁入り道具の一つとして花嫁に持たせる風習もあったほど、女の子を守る存在として大切にされてきました。
その周りには輝きすら感じさせる花々。
特に大きく数多く描かれているのは「牡丹」と「桜」です。
百花の王との別名を持つ「牡丹」は、その大輪でふわふわっとした咲き姿が他のどの花より美しいと言われ、富貴な存在とされてきました。
日本人が大好きな「桜」は新たな門出を応援する意味合いがあります。
花々が風に吹かれて舞うように、女の子の人生が華やかで明るいものであるようにという願いのこもった1着です。

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